誰でもできる手づくり酢

酢の作り方で検索すると,酢に果物やダイズなどを漬け込んだものがヒットすることが多いし,手作り酢で検索しても手作り酢大豆とか,手作り酢リンスなんてものが引っかかることが多いが,,この本は文字通り酢を醸造する方法(酢の作り方自体)について説明している点で希少.柿酢,米酢,麦酢のほか,梅果汁酢,ブドウ酢などの作り方,酢の使い方も紹介してあった.

酢の作り方は基本的に,糖度10~12%のもの(もろみ.つぶした柿とか)にイーストを混ぜてアルコール発酵させ,一週間~10日経ったら,もろみを絞って,汁を静かに置いておくと酢酸菌の膜が出来る.必要に応じて酸を足す(産膜酵母は酸が苦手らしい).酸度が4~5%になったら漉して瓶詰めするなり,60度20分加熱するなりをすれば酢が出来るらしい.

学校でアルコール発酵の後に酢酸発酵という話は習って知っていたけど,酢が自作できるとは考えもしなかった.家の中でやったらニオイがして大変そうだけど.

もっとも,果物酢や穀物酢を作る場合にはアルコール発酵をすることになり,しかも酢酸発酵開始時のアルコール濃度は5~6%程度が適当とのことだった(p.37).つまり,日本国内では家庭で果実や穀物から酢を醸造することはできないということになる(お酒の瓶の蓋を開けておいておいたら,しばらく経って酢になったというのは許されるんだろうか?).


 誰でもできる手づくり酢


カラー写真は少なめだったけど,それなりに楽しめた.一般向けの酢の作り方の本は少ないと思うので参考になるかも.

著者は『わが家でつくるこだわり麹―米・豆・麦から雑穀まで』『わが家でできるこだわり清酒』『誰でもできる手づくりワイン』の永田十蔵氏.

中身は,
序章 まずは柿酢をつくってみよう:
準備,仕込み,アルコール発酵,搾汁,補酸と種酢の添加,酢酸発酵中の管理,保存・清澄む,殺菌,柿酢の評価

第1章 酢づくりの基礎知識:
柿酢づくりからわかること,酢ができる原理,酢酸菌とそのはたらき,酸度の測り方,種酢のつくり方,有害菌と害虫,原料別酢の種類

第2章 各種の酢づくりの実際:
伝統的な米酢のつくり方,モルトビネガー(麦酢)・ビール酢のつくり方,つぼ酢(壷仕込みの米酢)のつくり方,韓国の五穀酢のつくり方,いろいろな果実酢のつくり方

第3章 酢の利用・応用・効用:
食酢としての利用,農業への応用-活用できる酢の力,酢の効用、機能性

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このページは、2008年2月14日 00:00に投稿した読んだ本の紹介です。

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