2006年10月アーカイブ

大人のためのスキマ時間勉強法 大人のためのスキマ時間勉強法

斜め読みしただけだが,本題とは関係がない箇所で驚いてしまった.

P.27精神科医は心理統計を学ばないような事が書いてある.ところが,心理統計は大学の教養の統計を取っていればほぼその延長のようなものだ.医学統計の人たちがEBMだなんだってやっていることと比べれば,遙かにシンプルに見えるのだけど(どちらも統計学初学者にはなかなか理解しがたいものかもしれないが)...

もしかして,医者って統計学を勉強しないでもなれるんだろうか?


内容に関しては,納得がいく部分といかない部分がある.

朝,さっさと布団から出るとか,朝食を食べるとか,短時間の仮眠を取る等は納得がいく話(でも目新しくもなんともないが).逆に,昼食を抜けば眠くならないようなことが書いてあるが,自分ならば昼食を抜くとその後は気が散って仕事にならない.服を選ぶのに10分はかからないしなぁ.それに妻は時間が有り余っているとでも?

結局,人それぞれなのだから取り入れられそうな所だけ取り入れる程度の使い方をすればよいのだろうけど...


それと,この本もほぼ同じ内容の本が新書版か何かで出ているような気がする.重複購入に注意がいるかも.

ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法 ひと月百冊読み、三百枚書く私の方法

いわゆる速読法の本かと思って買ったのだが,著者の読書法などが紹介してある本だった.もっとも,この本を読んだからといって必ずしも著者のようになれる訳でもないのだろうけど.

中身に関しては,『目的を持って本を読む』などは他の読書法関連の本にも載っており,目新しいことはない.ページの端を折ったり,抜き書きをしたり,スクラップの方法などに関しては,この本を読むまでもなく類似したことを実践していた.

書けなくなった時の対処法も特に新味を感じなかった.全くやったことが無かったのは『模倣』の部分あたりかなあ.あとは新聞を三紙も取っていないことぐらいか.うちにはテレビはないし.

改行も多く,必要な部分は一時間ほどでさらっと読めてしまった感じ.これなら立ち読みで済ませればよかったかも.

「超聴き」トレーニング 「超聴き」トレーニング

高速音声を聞き取ったりすると頭の回転が速くなるらしい.文庫本ながらCDが付属しており,2,3,4,10倍速の音声が入っている.速読法の本でよく見かけるようなトレーニングの話も載っているが,分量は少なめだった.

読書方法としては,スキミング,スキャニング,キーワード読み,ワードシグナル法(接続詞に注目),カンバン方式(時間制限をおく)と,三系列の読書(速読・食読・実読)などが書いてあった.

前の方の,量子力学やら脳やらについて『科学的』に書いてある部分などに関しては,私の知識不足か理解不足のせいかもしれないが,必ずしも納得ができる内容ではなかった.

むしろ最後の方の文章の書き方の方が参考になったような気がする.たとえば,

1200字を一単位として思いついたところから書く.
たくさん書きためる.
短いキーフレーズを決め,それを中心に文章を組み立てる.

などなど.

人生が変わる「朝5分」速読勉強法 人生が変わる「朝5分」速読勉強法

「朝5分」と銘打っているが,ほんの数ページほどで関連づけているだけ.後ろのほうにはその気配すらない.

かなりの部分が他の速読法の批判に割かれている.確かに怪しい速読法も多いとは思うけど...

佐藤泰正氏の速読トレーニング(講談社ブルーバックスから出ている)と,斉藤英治氏のシステム速読法はほめていたけど.

この著者のオリジナルな部分はほとんど無く,大部分は他人から借りてきた勉強法を並べ立てたといった印象(なるほど,『手抜きをしても成果』なわけか).なんだか名前をつけているが,そのネーミングセンスも全く好きになれない.

『サーカディアンリズムが朝に始まる(p.200)』というのはどういう意味なのだろう?

やっぱり買わなければ良かったというのが正直な感想.この著者の本,二つとも外れだったなぁ.

図解人生が変わる「朝5分」超記憶勉強法 図解人生が変わる「朝5分」超記憶勉強法

学習心理学の講義で習うような内容+α����„ったところ.別に目新しい事柄はなかったというか,類書の寄せ集めといった印象を受けた(他の本から引用してきたものがかなり多いような気も).

それ以上に気になったのが,心理学の用語をちょこちょこ誤解しているように見受けられる点.そのせいか読んでいて違和感を感じるので気持ちが悪い.速攻で捨てたくなった.心理学をきちんと学んだ人に書いて欲しいな.

(もちろん,自分が実験心理学や学習心理学を履修したときとは,専門用語の使われ方などが違ってきた可能性も否定できないが)

ついでに,最近の短期記憶は一ヶ月も保つのか?リハーサルをしなければせいぜい数十秒までだと習ったような気がするのだけど.

私はこの方法で資格を30取得しました 私はこの方法で資格を30取得しました
一時入手不可となっていたが,二刷りが出来たらしく10月20日現在で書店で購入可能になっていた.

著者の言う『ラジカル・マスター学習法』は確かに類書の中では具体的で実践的と思われる.イメージ的には速読術と記憶術をあわせて使うという感じだ.『読み方』に関しては,テキストマイニングをした結果と似ているように思われる.

まあ,こういう『勉強』の仕方もありだなぁと思う.少なくとも実技試験がない資格系には有用かもしれないという気がした.あ,でも,これで資格を取った人のお世話にはあまりなりたくないような気も...

長期的に何かを覚えておきたいというときにはどのぐらい有効なのだろうか?

実例が豊富で分かりやすく思えたのだが,章のタイトルと『講義』のつながりが今ひとつつかみにくい場所があるかも.

知的ストレッチ入門 知的ストレッチ入門

(思いっきりとばし読みしたせいかもしれないが)知的ストレッチにならなかったというのが正直な感想.帯には『一ヶ月で100冊の本が読める』などと書いてあるが,その具体的な方法は(飛ばし読みを除いて)書いていないように見える.ブログなどについての見解も新味が感じられなかった.

その他,著者はユーモラスに書いたつもりなのがありありと見えるのだが全然面白くない箇所なども豊富だった.

お薦めの具体的商品が幾つか紹介してある(付箋や本棚や手帳)ので,まねをしたい人の参考にはなるかもしれない.そういえば,6段ラックの本棚を一つ以上持っていないのは大学生として恥ずかしいというのは昔,教授に言われたことがあるなぁ.

この本のp.31に倣って反省をしてみると『どこかのアフィリエイト・サイトの書評で評価が高かったので,中身を確認しないで注文してしまった』


「できる人」の時間の使い方 「できる人」の時間の使い方

著者の経験談も含めて,考え方や行動を変える(ダブルバッカーのたとえ,人生の残り時間),目標(願望と目標の違い,具体性),プロセス(大局観,優先順位など),時間管理(プランニング,隙間にできる仕事),仕事術(スモールステップ,適ストレス,マルチタスク)等について書いてある.目標をしっかり持つようにというのはこの手の本にはみんな書いてあるなあ.

大学受験をするときに時間管理の本を何冊か読んだが,それと中身はあまり変わらないなぁという印象(その時に覚えて以来,だいたい実践しているものもあったし).さすがに30年後に達成していることについては書いてなかったような気もするが.

それと,同一著者の本で,ほぼ同じような内容のものが文庫で出ていたと思うので,同じものを二度買ったという事がないように,買う前に中身の確認をすることをおすすめしたい.

p.168から書いてあるのはオイディプス効果ではなくて,普通はピグマリオン効果と呼ばれていると思うのだけど?

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