2011年5月アーカイブ

タイトル通りに本当にこれからタティングレースを始める人向けの本.しかもお値段控えめなのが嬉しい.最初に買う一冊としてはこの本か,NHKおしゃれ工房の『タティングレース』のどちらかが良いと思う.

シャトルに糸を巻く方法,チェーン,リング,ピコの作り方(シャトルの持ち方,左手に糸を掛けるやり方,シャトルの動かし方)などの基本事項がカラー写真で細かく解説してあり,とても分かりやすい.

2つのシャトルを使って編む方法,ジョセフィンノット(表目もしくは裏目だけで編む方法),見せかけのピコの作り方,シャトル2つを使ってチェインの上と下の両方にリングを作る方法p.46なども紹介してある.

作品例としては,定番と言える小花やちょうちょなどの小さなモチーフやブレードの他,マルシェバッグ等があるが,基本的に小さなモチーフ一個単位での紹介.作品数は少なくて全部で19種+αといったところ.

いくらでも長くできるブレードと,十字架型のブックマークを除けば,5cmもない作品ばかり(指定のレース糸で作った場合).

なので,ちょっとでもタティングレースをしたことがある人にはすぐに物足りなくなると思う.

チョウチョや小花は簡単なので,リングとリングの間に隙間が出来ないように気をつけることと,芯糸を引っ張ってリングをしめるときに引っ張る方向に注意をすれば(糸の向きとして自然な方向に引っ張ればきちんと締まる),初めての人でもすぐに出来るようになると思う.

今まで作ったことのないスクエアモチーフp.47に挑戦してみたのだけど,意外に難しかった.


初心者にも分かりやすく書いてあるので,これからタティングレースを始めてみようと思っている人にもオススメできる本の一つ.

多分,ここまでシャトルの動かし方等を詳しく解説している本は,最近になるまで他になかったように思う.リングを作るときの糸の添え方など,基本も分かりやすく載っている.

ページ数の割に作品例が多く,定番のフラワーモチーフから,ビーズを入れた作品,さらにはかなり難しそうな複雑な作品まで載っているので,初心者から経験者まで楽しめると思う.作品には時間のかかり具合や手間などで1~3段階のマークが付けてあるのも良い.

色は真っ白な糸か,色糸を使っているので全体としてはクッキリした印象の作品が多い.

個人的にはこの本の作品はピコが大きめなのと,ノットが結びつけられていない渡り糸がたくさんあるので,そんなに好みではないけど,それを繊細さと感じる人も多いのではないかと思う.美しい作品がたくさん載っているのは確かだ.

【送料無料】タティングレ-ス

【送料無料】タティングレ-ス
価格:1,680円(税込、送料別)

ちなみに,この本では角なしタイプのシャトルとかぎ針を使っているが,それは好みにあわせてどちらでも好きな方を使えば良いと思う.

個人的には角なしの方が指にぶつかったりせずにスムーズに編める気がする一方で,角ありの方がピコに糸を通してつなぐ時などにかぎ針と持ち替えをせずにすむのが良いと思うのでどちらが良いかは何とも言えない.

中身としては,下記のようなものが載っていた.
1.口絵作品:ドイリー「華麗」,バッグ「ケンジントン・ガーデン」,バッグ「ウインザー」,ハンカチの縁レース,小さな袋,ペンダント,チョーカー,リボン飾り,ミニクッション等.

2.タティングレースの基本:タティングレースの特徴,材料と用具,シャトルの糸の巻き方,糸のつなぎ方,目数の間違いを直すとき等

3.知っておきたいテクニック:シャトルつなぎ,最後と最初のリングのつなぎ方,ビーズの入れ方,スプリットリング,チェーンの上にリングを作る(シャトル2個で編む)等


横長の小さな本.小さなモチーフを一つまたは幾つか組み合わせた作品が多く,初心者向けと思われる.

あとは,お花がテーマかな.ミモザ,デイジー,小手毬,ユキヤナギなどを表現したモチーフも載っている.派手な黄色の糸で編むと確かにミモザっぽく見えるかも.

ハンカチの縁やブラウスの襟に付けるエジングも数点.タティングレースで作ったネットもあった(コームに添えてある).

ただし作品数は多くない.多分35点だったと思う.

カラー写真は前半の作品紹介部分だけで,糸の巻き方,基本の結び目(ダブルステッチ)などの基本部分や作品の作り方などは基本的に白黒のイラストか写真.

ただ,意外にも白黒のイラストは糸の状態がどうなっているのか等が写真よりも見やすいかもしれない.

作品に添えられた飾りは好みが分かれるかもしれないが,それなりに良い雰囲気.
ただし,タティングレースの初心者が編み方を知りたくて一冊だけ本を買うとしたら,これではないような気がする.

章立ては以下の通り.
1. Round Motif
2. Square Motif
3. Small Flowers
4. Chain
5. コデマリモチーフ
6. Corsage and Wreath
7. クラシックなつけ衿
8. レースのネットをあしらって
9. Edging-タティングレースの縁飾り
10. How to Make


タイトルから類推されるとおり,初心者向けのタティングレースの本.同一著者の『優雅なタティングレース』よりもこちらの方が明らかに入門的な部分の説明が詳しい.

基本的な所(リング編み,リングとブリッジ編み,シャトル2個を使った編み方)はカラー写真で手順を追って紹介してあるので,比較的分かりやすいと思う.

大きな物を除けば初心者にも編めそうな作品が多いと思う(スミレ,アネモネ,バラといったお花のモチーフとそれを繋いで出来るドイリー,ミニマフラー,ブレードなど).ただし,逆に言えばある程度タティングレースを編んだことのある人には物足りないのではないかと思われる.

使用糸はオリムパスのエミーグランデ(レース糸としてはかなり太い)で,角ありのシャトルを使っている.エミーグランデのハーブスを使ったシックな色合いの作品が多い(全体的に表紙の写真のイメージ通り).

ちなみに,p.12の小花モチーフはそのまま編んだだけでは形が整わない(リングの結び目に近い側にもピコを入れて連結すれば形が安定するが.もっともピコに連結するというところで躓く人もいるかもしれないので,一番最初は連結なしの方がいいのかもしれない).


基礎ページが充実していると紹介しているサイトもあるようだが,少なくとも初心者向けとは思わない.もしも初めてタティングレースに挑戦する人が参考書を探しているのであれば,もっと別の本を薦めたいと思う.シャトルに糸を巻く方法などの基礎編が一応p.34から始まっているけど.

短時間で仕上がる初心者向きと思えるのはミニドイリーとネックレス,ピアス,ブレスレットとコサージュあたりかな?

バッグやミニマフラー,ショールなど,作るのにかなり手間がかかりそうな作品が結構載っている(ただし,個人的には作ってまで欲しい感じの作品とは思わなかった).

カラー写真が載っているのは全体の半分ほどで,作り方の部分はあまり詳しくない.その意味でもタティングレースの経験者向けの本かと思う.また,ピコが多い作品は編み図?がとても見にくい.

オリムパスのエミーグランデ(レース糸としてはかなり太い.明記されてはいないがおそらく20番か18番ぐらいの太さだと思う),または金票#40レース糸と,角ありのシャトルを使ったタティングレースの作り方が紹介してある.

全体としては表紙の写真のイメージ通り,落ち着いた印象の作品が多く,ビーズを入れたものもある.


ビーズがたくさん入ったタティングレースの作品例が多い.タイトルは『タティングレースの首飾り』となっていて,実際にビーズを入れたネックレスの作り方が多く載っているが,ショール数点や縁飾りの作り方も載っている.写真も結構きれい.

表紙を見たときは難しそうに思ったが,簡単に作れそうなものも載っている.実際,最初の方にはビギナー向けデザインとして19作品が紹介してある(カテゴリーとしては,ビギナー,サマー,アンティーク風,パール,チョーカー,アダルト,エスニック,スカーフ,ブレード).

【送料無料】タティングレースの首飾り

【送料無料】タティングレースの首飾り
価格:1,575円(税込、送料別)

糸の巻き方,ダブルステッチなどの基本部分はp.38から.

ビーズを編み入れる方法,シャトルを二つ使ったリング付きブリッジの編み方,スプリットステッチ(スプリットリング),モックリング(芯糸でリング見せかけのリングを作る),3本取りでの編み方などはカラー写真で手順が説明してあり,分かりやすいと思う.糸を二色用意して実際に作ってみたらちゃんと形になったし.

ビーズ入りだと豪華な感じになるし(特に天然石を編み込むと.ただし重くなって首に掛けると肩こりになるのでほどほどに),ネックレスなどは比較的単純な模様の繰り返しになるので,初心者でも思ったより簡単に作れそうだと思う.

ただし,タティングレースは編み方を間違えたときに解いて直すのがとても大変だけど...


このアーカイブについて

このページには、2011年5月に書かれた読んだ本の紹介が新しい順に公開されています。

前の読んだ本の紹介は2011年1月です。

次の読んだ本の紹介は2011年10月です。

最近の読んだ本の紹介はインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。