2008年11月アーカイブ

シャカトウの葉(釈迦頭)
11/29, バンレイシ科 バンレイシ属.別名:バンレイシ.
今年の1月半ば頃に,沖縄から取り寄せたシャカトウ(釈迦頭)を食べて種を蒔いたところ,かなりたくさんの芽が出てきました.関東地方で成木まで育てて果実の収穫というのはなかなか困難と思われますが,すくなくとも観葉植物としては利用できそうです.
白っぽい花が咲きます.

アキウコンの葉(秋鬱金の葉)
11/27, ショウガ科 ウコン属.
アキウコンの葉っぱが枯れ始めました.寒さには比較的弱いので,根茎を掘り起こし室内に保管するか,場所によっては土に埋めて越冬させると良いようです.
根茎からは香辛料のターメリックがとれ,たとえばカレーなどに使われます.

ブドウの黄葉(葡萄)
11/27, ブドウ科 ブドウ属.
果実を食べるために栽培されているブドウの葉が黄色くなりました.品種は紅南陽(べになんよう,デラウェアの枝変わりらしいので,欧米雑種でしょう).ジベレリン処理をする必要がある品種のようです.
ブドウは冬の間は休眠します.剪定はこの休眠している間に行います.

ゲッケイジュ(月桂樹)
11/27, クスノキ科 ゲッケイジュ属.別名:ローリエ,ローレル,ベイ,ベイリーフ.
ハーブ売り場でローリエという名称で売られているのは月桂樹の葉っぱです.乾燥した葉っぱはシチューの煮込みなどに利用されます.
花は少し黄色みがかった白色です.雌雄異株で,雌株には実がなります.常緑樹です.

カリフォルニア・ベイ,カリフォルニア月桂樹の名称で市販されているものは食用には向かないようですので注意しましょう.

レモングラスの葉
11/24, イネ科 オガルカヤ属.
ぱっと見た感じはススキと似ていて,葉っぱは1m以上に伸びます.
レモンとやや似た香りがしますが,レモンそのものの香りではありません.トムヤムクンなどのエスニック料理の香り付けに利用します.収穫時には手を切りやすいので注意が必要です.

いかにもイネ科の雑草っぽい花が咲くようですが,関東の平野部で開花に持ち込むのはなかなか難しいようです.

レモングラスの株もと
11/24, イネ科 オガルカヤ属.
この部分だけを見るとススキといわれても分からないかもしれません.
ハーブの本などでは,非耐寒性植物なので冬場は鉢上げして屋内で越冬などと書いてありますが,
暖冬のせいか関東地方の平野部でも軒下の日だまりで越冬できるケースが増えているようです.

ツワブキ(石蕗,艶葉蕗)
11/22, キク科 ツワブキ属.
ツワブキの黄色い花が咲いていました.
日当たりの良くない場所でも比較的良く生育し開花しますので,シェードガーデンで利用されることもあります.
普通のフキとは違って葉っぱは深い緑色でつやがあります.利用方法は普通の蕗と同様です.

花が咲いた後は綿毛つきの種子ができます.

ナンキンハゼの紅葉(南京黄櫨)
11/22, トウダイグサ科 シラキ属.
ナンキンハゼが紅葉しました.一本の木の中でも赤く色づく葉っぱや黄色く色づく葉っぱがあるようです.
白い実は所々に残っています.

ボストンタマシダ(ボストン玉羊歯)
11/21, ツルシダ科 タマシダ属.別名:ボストンファーン.
ネフロレピス・エクサルタータcv.ボストニエンシス?セイヨウタマシダ(西洋玉羊歯)の変種でしょうか.

ネフロレピスの名前で市販されている観葉植物は何種類もあるようですが,これはボストンタマシダの名称で売られていました.
買ってきた当初は葉っぱが1.2m以上の長さに伸びて垂れ下がっていました.最近は短くなってしまいましたが,それでも60cmはあります.よく見かけるネフロレピス・ツディなどはこれほど葉が長くなることはありません.

ボストンタマシダはホルムアルデヒド除去効果が高いエコプランツとされているようです(ただし,植物を置いても浄化効果はほとんどないという意見や,植木鉢内の微生物の方が有用という意見もあります).

シノブ科とされることもあるようですが,ツルシダ科かなと思います.

サザンカ(山茶花)
11/20, ツバキ科 ツバキ属.
白いサザンカの花が咲いていました.サザンカは冬場の花が少ない時期に花をつけます.
艶のある葉っぱは椿と同様に縁に細かなギザギザがあります.常緑で垣根としてもよく用いられますが,チャドクガが食害するので防除が必要です(幼虫も成虫も危険).
ツバキとサザンカの見分け方ですが,基本的にツバキは散るときに花が丸ごとボットッと落ちるのに対して,サザンカは花びらがパラパラと分かれて落ちます(例外もあります).葉柄の毛の有無や開花期でも見分けられるかもしれません.

ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)
11/19, タデ科 イヌタデ属.別名 ハナツルソバ,カンイタドリ,ポリゴナム.
ヒメツルソバ(姫蔓蕎麦)は横によく広がる植物で,グランドカバーにも利用されます.写真のものは道ばたで雑草化していました.ロックガーデンにも植えられることもがあるようです.
日だまりなら年中ピンク色の金平糖のような花が咲いている気がします.

ヒマラヤシーダ
11/19, マツ科 ヒマラヤスギ属.別名:ヒマラヤスギ,ヒマラヤヒマラヤシーダー
花粉を飛ばし終わった後の雄花で,カサカサな残骸状態です.確かに松の雄花に似ている気がします.
11月上旬ごろの花粉の量は相当なもので,木の下が硫黄でも撒いたようになっていることがあります.

ジュウガツザクラ(十月桜)
11/18, バラ科 サクラ属.
秋から冬にかけて薄ピンク色の花が咲きます.
冬が近づき寒くなってきたのになぜか桜が咲いているぞ?という場合,このジュウガツザクラのことが多いようです.

ソメイヨシノのようにびっしり花がつくことはまずないようです.

イチョウの黄葉(銀杏)
11/17, イチョウ科 イチョウ属.
黄色く色づいてきました.木によって黄葉する時期が異なるようで,ほぼ真っ黄色に葉の色が変わった木の隣にまだあまり色づいていない木があったりすることもあります.

ちなみに今年は,この付近のイチョウにあまり実がつかなかったようです.

ハナミズキの紅葉(花水木)
11/15, ミズキ科 ヤマボウシ属.アメリカヤマボウシ(亜米利加山法師),アメリカハナミズキ(亜米利加花水木).
葉っぱが赤く紅葉しました.こうなってくると,実があまり目立たないかもしれません.
関東地方の平野部に街路樹として植えてありました.

オシロイバナの種子(白粉花)
11/14, オシロイバナ科 オシロイバナ属.
花が終わった後,このようにでこぼこした丸くて黒い種子ができます.
この種子の中身が白くて,つぶすとおしろいのような粉っぽい感じになります.

オシロイバナの花(白粉花)
11/14, オシロイバナ科 オシロイバナ属.
道ばたに生えていました.こぼれ種で増えたのでしょうか.
オシロイバナは夏の花という印象があったのですが,最近は冬でも暖かいせいか,いつまでも開花が続いているような気がします.
花の色は他に,白,黄色などがあり,ピンクやオレンジ色に見えるものもあります.
写真の撮影場所は関東地方の平野部です.

キバナコスモス(黄花秋桜)
11/13, キク科 コスモス属.
花の形はコスモスなのですが舌状花はオレンジ色です.葉っぱの形も普通のコスモスとは違います.
最近,特によく見かけるようになった気がします.これは関東の平野部の道路沿いの花壇に植えてあったものです.

ちなみに,ウィンターコスモスと呼ばれるキクザキセンダングサ(菊咲き栴檀草)は黄色みがある白っぽい花が咲きますが,こちらはキク科センダングサ属です.

アフリカン・マリーゴールドの花
11/12, キク科 コウオウソウ属.別名:センジュギク(千寿菊),サンショウギク(山椒菊).
花壇に植えてあったものです.
かつては一般的だったフレンチ・マリーゴールドと比較して頭でっかちな感じで大きく,
まるで饅頭のような雰囲気の花がつきます.

アフリカンという名前がついていますが,別にアフリカ原産というわけではないようです.
最初に見たときは,フレンチ・マリーゴールドを品種改良したものかと思ったのですが,どうやら別種のようです.
ちなみに,キンセンカ(金盞花)がポットマリーゴールドと呼ばれますが,こちらはキク科キンセンカ属なので属が違います.

シキザキベゴニア(四季咲きベゴニア)
11/11, シュウカイドウ科 シュウカイドウ属.別名:ベゴニア,ベコニア,シキザキシュウカイドウ(四季咲き秋海棠).
日当たりが良く,風も当たらないためか,赤い花,白い花ともにかなりきれいに咲いています.
関東地方の平野部の花壇に植えてあったものです.

サイパンレモンの実(檸檬)
11/10, ミカン科 ミカン属.
10日前と比較して明らかに黄色くなってきました.
この付近ですと,タフベルでもかぶせて風の当たらない日だまりに置けば屋外でも越冬できますが,
翌年の実つきが悪くなるので屋内越冬させています.

常緑樹のはずですが,この時期は葉っぱが黄化して落ちることも多いようで,そろそろ屋内に取り込む時期が近づいてきたようです.

ネム(合歓)
11/09, ネムノキ科 ネムノキ属.別名:ネムノキ.
マメ科に出戻りしたかもしれません.
先の方が赤っぽく,付け根側は白っぽいほわほわした花が咲きます.夜は葉っぱが閉じます.

写真の撮影場所は関東の平野部の道路脇です.

ケイトウ(鶏頭)
11/07, ヒユ科 ケイトウ属.
関東の平野部の道路脇に植栽してありました.
花穂の先端部分がちょうど雄鶏の鶏冠のような形になるので,ケイトウという名前になったようですが,写真のものはそのような形にはなっていません.

以前は赤いものがほとんどだったのですが,最近は橙色,黄色,ピンクなどカラフルです.

花穂ではなく,色がついた葉っぱを鑑賞するのはハゲイトウで属が違います(穀物として利用されるアマランサスの仲間).

ヒユ科の雑草で有名なのは,イノコズチ,イヌビユ,アオゲイトウあたりでしょう.センニチコウもヒユ科です.

ハナゾノツクバネウツギ(花園衝羽根空木)
11/08, スイカズラ科 ツクバネウツギ属.別名:ハナツクバネウツギ(花衝羽根空木),アベリア.
関東の平野部の幹線道路脇に植えてありました.
花に近づいてよく見ると,特に赤茶色の萼の形がツクバネウツギの仲間によく似ていると思います.

花期が長く,常緑低木の街路樹としても重宝されているようで,あちこちで見かけますが,個人的にはこの花の匂いは好きではありません.

アベリアというとこの白い小さな花が咲く植物を指すことが多いようですが,本来はツクバネウツギ属を指します.

オオマツヨイグサの花(大待宵草)
11/08, アカバナ科 マツヨイグサ属.
オオマツヨイグサの花を拡大してみました.
花びらは4枚で,雌しべの先端が十文字になっているのがいかにもアカバナの仲間という気がします(ユウゲショウの花と見比べてください).

曇天のせいか,寒いせいかよくわかりませんが昼間から咲いています.

オランダの生物学者,ド・フリースが突然変異説を唱えるきっかけになったのがオオマツヨイグサだそうです.

オオマツヨイグサ(大待宵草)
11/08, アカバナ科 マツヨイグサ属.
花がやや小さめだったので少し自信がないのですが,しぼんだ花も黄色っぽいのでオオマツヨイグサと思われます.北米原産の帰化植物です.最近はオオマツヨイグサよりも花が小さいメマツヨイグサの方が多く見られるそうです.

花は茎の下の方から順番に開花していき,この時点ではかなり上の方の花が咲いているところでした.花が咲いた後は長細い形の実がなります.

関東の平野部の幹線道路脇に生えていました.

アメリカセンダングサ(亜米利加栴檀草)
11/07, キク科 センダングサ属.別名:セイタカタウコギ.
線路脇の空き地などによく生えている帰化植物です.写真のものは関東の平野部の道路脇に生えていました.

花が終わった後にできる種子は服や動物の毛によくくっつくので,アメリカセンダングサのこともひっつき虫と呼ぶ事があります.とにかく犬の毛などに絡まると取るのが大変です.

似たものにコセンダングサがありますが,花を囲む葉っぱのようなもの(総包片)がアメリカセンダングサとはちがって目立ちません.なお,センダングサには黄色い舌状花,いわゆる花びらがあります.

サルナシの実の断面(猿梨)
11/6, マタタビ科 マタタビ属.別名:コクワ.
収穫した大実サルナシを包丁で切ってみました.
キウイフルーツのように黒っぽい種子が入っているのが普通だと思っていたのですが,今回のサルナシは種なしでした.

試食してみたところ,確かに果肉が緑色のキウイフルーツに似た系統の味で,酸味も甘みもあります.果実は長径が2cmと小さいのであまり食べた気がしませんが,表面に毛が生えていないので食べやすいと思います.

もしかすると,果実が小さかったのは受粉しなかったせいかもしれません.「一本で実がなる」と説明書きにありましたが,他のサルナシと交配すればもっと大きな果実になる可能性も考えられるので,今度試してみたいと思います.

サルナシの実と葉(猿梨)
11/6, マタタビ科 マタタビ属.別名:コクワ.
収穫しました.一つ前の写真では写っていなかったのですが,葉っぱは黄葉して落葉し始めています.

サルナシの実(猿梨の実)
11/6, マタタビ科 マタタビ属.別名:コクワ.

6/30のものと同じ,大実サルナシという名称で市販されていた株です.
大実と言いつつ果実のサイズは高さが2cmほどで夏頃から全然大きくなった気がしません.
色も緑色のままですが,表面に皺が寄り,触ると柔らかい感じなので,さすがに収穫しても大丈夫だと思われます.
どうやら,少なくともこの株に関しては,キウイフルーツとは異なって樹上で完熟するようです.

なお,グリーンベルベットという品種のサルナシは現時点でも果実が固いままでした.

アロエ・チネンシス
11/05, アロエ科 アロエ属.
アロエベラという名札付きで売られていました.薄緑色の葉に白い斑点がついています.
ただ,アロエベラは成長すると白い斑点が消えるはずなのですが,この株の斑点はなかなか消えません.また,葉っぱはあまり大きくならず,子株がやたらと出てきます.

というわけで,アロエ・ベラではなく,アロエ・チネンシス(Aloe chinensis)ではないかと考えています.長く伸びた花茎の先に筒状のオレンジ色の花がたくさん咲きます.アロエ・ベラならば花の色は黄色だそうです.

キダチアロエとは違って,置き場を変えたときや水やりの多寡によって簡単に調子を崩す感じがします.まだ食べたことはないのですが,こちらもキダチアロエとは違って苦みが少ないようです.

アロエ・不夜城
11/05, アロエ科 アロエ属.
品種名はフヤジョウ(不夜城,Aloe nobilis,アロエ・ノビリス)のようです.
キダチアロエやアロエベラよりも葉っぱの色が濃く,小型です.
うちではなかなか大きくならず,子株もできたことがありません.
葉っぱ縁だけでなく,裏側の所々にもトゲがあります.
オレンジ色で筒状の花が長く伸びた花茎の先にたくさんつきます.

少し似たものに,アロエ・還城楽(Aloe distans,アロエ・ディスタンス)などがあります.

オリーブ,ルッカ
11/4, モクセイ科 オリーブ属.
品種はルッカ(lucca)で,イタリア原産.開帳型.やや自家受粉性があるといわれています(未確認).炭疽病にはやや強いのですが,果実は小さいのでオリーブオイル向きです.

その他の品種についても紹介を少々.
コロネイキ(koroneiki)という葉っぱが小さいギリシャ原産の品種も売られていることが多いようですが,果実がやたらと小さいのであえて植えていません.

ミッション(Mission)の樹形や直立性で背が高くなりやすいようです.やや自家受粉性があるといわれています.開花時期がやや遅めなので,マンザニロなどの開花時期が早い品種の授粉に使うのには向かないかもしれません.ピクルス等の加工用としても,オイル採取用としても利用されます.

花粉が多く,授粉樹として重宝されるネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)自身は自家不結実性が強いようです.果肉が柔らかいのでピクルス等には向かず,油用とされます.樹形は開帳性というかなんかすぐにグチャグチャになります.

オリーブ,シプレッシーノ
11/3, モクセイ科 オリーブ属.
品種はシプレッシーノ(Cipleccino).チプレッシーノという名称で呼ばれることもあります.イタリア原産.詳細は不明です.

11/1のマンザニロのページの続き:
一般に入手しやすいのはマンザニロ,ルッカ,ネバディロブランコ,ミッションの4品種で,授粉をする上ではマンザニロ×ルッカ,ルッカ×ネバディロ・ブランコ,ネバディロ・ブランコ×ミッションあたりの組み合わせが良いとされるようです.

ネバディロ・ブランコは他の3品種のどれとも開花時期が重なる可能性が高いようです.また,ルッカは自家結実性がいくらかあるそうです.

ちなみに,小豆分場のオーストラリア系オリーブ13品種に関する報告書の開花期をみると,サウスオーストラリアベルダルの咲き始めが一番早く,翌々日にワッガ・ベルダル,アザパ,バロウニが咲いて,さらにその翌日にハーディズマンモス,マンザニロ,パラゴン,コレッジョラ,コロネイキ,タイニー・オイル・カラマタ,ジャンボカラマタが咲いて,その翌々日にカラマタ,最後にミッション(カリフォルニア産のものとはちょっと違う性質らしい)の咲き始めたとのことです.

ちなみに満開日が一番早いのはサウス・オーストラリア・ベルダル,一番遅いのはコレッジョラとミッションだそうです.

オリーブ,レッチーノ
11/3, モクセイ科 オリーブ属.
品種はレッチーノ(Leccino).オリーブオイルを搾るのに向く品種.果実はフラントイオよりは少し大きい傾向があるようです.イタリア原産です.病害虫に強く気候への順応性があるといわれています.

オリーブは常緑樹ですが,植え替え等をすると葉っぱを一度にたくさん落とすことがあります.5月頃,小さな白い花が咲きます.実をならせたい場合は2種類以上の品種を近くに植えた方がよいとされるのが一般的です(もちろん,近くにというのは,一つの鉢に複数のオリーブを寄せ植えにするとか,密着させて地植えという意味ではないです.生育旺盛ですので).

その他,オリーブの品種紹介や,開花時期,自家受粉性,受粉上の組み合わせ等については,このページの前後にも載せていますので併せてどうぞ.

ここに載せた一連のオリーブはすべて品種ラベルつきで売られていたのですが,正直言って,マンザニロの葉っぱがちょっと小さめな以外はほとんど見分けがつかないです.

オリーブ,フラントイオ
11/2, モクセイ科 オリーブ属.
品種はフラントイオ(Frantoio).オイル採取向きの実がなるイタリア原産種.
豊産性ですが,果実のサイズは小さいです.また,パラゴンと呼ばれるものの一部がフラントイオの場合があるようです(名称の混乱?産地の違い?).

どういう訳か枝が良く伸びます.環境への適応性は良いようです.また,やや自家受粉性があるといわれています(未確認).

オリーブ,コレッジョラ
11/2, モクセイ科 オリーブ属.
品種はコレッジョラもしくはコレッジョッラ(Correggiola).イタリア原産.晩生種.

オリーブは地中海沿岸でよく栽培されています.日本では小豆島のオリーブが有名で,主な品種はネバディロ・ブランコ,マンザニロ,ミッションの三種類とのことです.

寒さが苦手といわれますが-10度程度までなら耐えられるので,関東の平野部ならば屋外越冬します.根っこが浅いらしく,大風が吹くと木が傾きやすいようです.

オリーブには橄欖(かんらん)という字が当てられている場合がありますが,どうやらオリーブとは別の植物のようです.

オリーブ,ピクアル
11/1, モクセイ科 オリーブ属.
品種はピクアル(Picual).ピクアルとミッションは似ているようです.
オイル採取向きのスペイン原産種.自家不結実性が強いオリーブの中では珍しく自家受粉性があるとされますが,それでも異品種の花粉があるほうが良いようです.隔年結実傾向があるようです.

「オリーブは一本では実がならない」という点について補足しますと,自分と同じ品種の花粉では実がなりにくく(自家不結実性),他の品種の花粉が必要ということです(つまり挿し木で増やした同じ品種が二本あってもだめ).オリーブに雄雌があるわけではないです.

もっとも,おそらく挿し木などで一番増やしやすいネバディロ・ブランコ(Nevadillo Blanco)あたりは身近なところに植えられている可能性が高く,その花粉が飛んでくればその他の品種を一本しか植えていなくても実がなる可能性は十分あります.

オリーブ
11/1, モクセイ科 オリーブ属.
最近,庭木や寄せ植えの主役として利用されています.果実は塩漬けオリーブやオリーブオイルとして利用します.害虫としてはオリーブアナアキゾウムシ,ハマキムシ,スズメガがつきやすいようです.

写真の品種はマンザニロ(Manzanillo).スペイン原産で小さなリンゴという意味の名前です(ちなみに林檎は manzana).ミッションやネバディロ・ブランコよりは果実がやや大きめです.

収穫期が9月下旬頃からと他の品種よりもやや早く,果実は塩漬けやピクルスに向きます(オイルの含有量が少なめ).葉っぱは小さめで,古い葉の縁は裏側にちょっと曲がっています.

樹形は開帳性で小型,丈夫ですが自家結実性はほとんどなく,果実が炭疽病に弱いようです.
また,ウエスト・オーストラリア・ミッションとは同一品種との説があります.

オリーブにはいろいろな品種がありますがその多くは自家結実性が弱いので,果実を収穫したいのであれば2品種以上を育てる必要がありますが,オリーブの開花時期は品種によって少しずつずれます.

(株)花ごころのサイトでは,開花は早い順に,マンザニロ,ルッカ,ネバディロ・ブランコ,ミッションの順番のようです.そして,マンザニロとミッションの組み合わせだと開花時期がずれてしまい受粉ができない可能性もあるようです.

開花の順番や受粉の相性等の話の続きは11/3のシプレッシーノのところに移動しました(WordPressだと途中で切れてしまうため).

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